何でもない日常の中で、突然の悲しみに襲われる日があった。そんな一日のお話をしたいと思います。
先週の始め、ご近所で山科の母のように慕っていた方が亡くなった。
体にはとても気を使っていた方で、どこか少しでもおかしいな?と思うとすぐにお医者さんに行く人。
お花が大好きで、いつも朗らかで、山科に引越しして以来、何かにつけて相談していた人。
子育ての事、人間関係のこと、日々のおかずの事、何でも話せて、そのたびに助言を下さった・・・。
私がバタバタして数日顔を合わさないと、何かあったんか?と心配して電話をくれた。
外に出てる間に雨が降って来て、家に帰ると裏の洗濯物が取り込まれてた時もあった。
子供達が外で遊んでいると「一つずつしかないけど」と言っておやつを手渡してくれた。
日々、お世話になりっぱなしなのに、何もお返しする事がない私。
でも、お花の事で何かとアドバイスしていた私。
季節のたびに木枝を剪定したり、時々花柄つみをしたり、する事しかお礼していない。
ゴールデンウィーク前から、夜になると熱が出て、ご飯がおいしくないとか、皮膚にアザが出来て治らへんとか聞いていた。
「体がどうもしんどいねん。水やりたのめるかな。つぼみがついて来たし、枯らしたくないねん」と赤みのない顔で言っていた。
「大丈夫、まかせて」と返事した。それが最後の会話になった。
検査入院すると言っていたのに
数日間たった朝、裏で水やりをしていると、見慣れない人達が出入りしている。ひょこっと玄関を覗いて見ると、奥の方で布団に寝ている姿が。
そのまま駈け込んで、立ち尽くした。「なんで?」息子さんにつめよった。
なんで?どうして?声を上げて泣いていたと思う。
大好きなカンパニュラの花がいっぱい咲いたよ。目を開けてみてよ。心の中で、叫んでいた。
お家から、お棺が出る時、カンパニュラの花をその場で摘んでお棺の中に入れてもらった。
お通夜には家族全員で参列した、告別式には、夫婦で見送りに行った。
雨の中、多数の参列者がいて、最後のお別れにお棺の中にお花を入れる時、とても多くて・・・
どれだけ他人の為にお世話していた人か、とてもよくわかった。
私は足元にお花を添えた。
その後家では、おばさんのお花たちも、我が家の植物と同じように水やりしたり、お手入れをしている。
おばさんも、空の上から、安心して見てくれてるかな?
「カンパニュラ」まだ、咲いていますよ。
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